歴史散策(出雲)の活動報告
平成30年度最初の友の会文化事業として、歴史散策「神々の国出雲の史跡探訪&講演ツアー」が行われ、76名の会員にご参加いただきました。
平成30年5月7日(月)~8日(火)
第1日目(5月7日)
あいにくの雨でしたが、バス2台に分乗し、先ず弥生時代の王墓群「西谷墳墓群」を見学しました。ここの古墳は方墳の四隅が舌のように伸びた形の「四隅突出型」で、「前方後円墳」とは全く趣が異なります。
棺に敷き詰められていたという真っ赤な水銀朱の様子が再現されています。(写真1)
次に、出雲古代史博物館で13世紀の出雲大社の巨大な柱の一部や銅鐸などを見学しました。この頃の出雲大社本殿は現在の倍、約48メートルの高さだったそうです。(諸説あり。)
このあと、出雲大社を参拝し、「荒神谷」へ向かいます。ここは、昭和59年、358本もの大量の銅剣が出土したところです。これは、弥生時代の見直しを迫る世紀の発見でした。このツアーには、考古学者の松本岩雄先生と平野芳英先生が同行されました。松本先生は荒神谷で最初に銅剣を発掘した方で、平野先生もこの発掘に携わった方です。
公立学校共済組合松江宿泊所「サンラポーむらくも」へ戻り、講演会です。松本先生から古代出雲をめぐるお話など、わかりやすく解説していただきました。(写真2)
講演会のあとは、楽しい懇親会です。全国各地から同好の会員が集まり、話ができることも、このツアーの楽しみです。
第2日目(5月8日)
この日は、6世紀中頃から7世紀にかけて作られた出雲地域東部の代々の首長墓の一つ、山代二子塚古墳に向かいます。このあたりは古墳が集中していて、出雲版王家の谷と言われています。山代二子塚古墳はなかでも最大の前方後円墳で、大首長の墓と考えられています。うっそうとした森の中の急勾配を登ると古色蒼然とした神社がありました。「神魂(かもす)神社」です。本殿は日本最古の大社造りで国宝です。小規模な出雲大社のようです。(写真3)(写真4)
いかにも神域といった空気感があり、古代に迷い込んだ気持になります。現在出雲大社宮司となっている出雲国造家が25代まで奉仕した格式高い神社だそうです。
このあと、八雲立つ風土記の丘(写真5)や、六所神社(出雲地方で神有月という陰暦10月、全国の神々が先ずここに集まったと伝わる。)を巡り、出雲国府跡で往時の繁栄を偲んで、全日程を終了しました。
会員から、「出雲を訪ね、地元の専門家から解説してもらい、たいへん充実した旅になりました。またこのような企画があれば同好の会員に再会したいと思います。」とのご感想を頂戴しました。
ご参加ありがとうございました。
今後の歴史散策プランにもご期待ください。