公立学校共済組合友の会

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過去の講演会

友の会の講演会に関した情報を掲載します。
これまでに開催した講演会のプログラムや講演内容に関するトピックを発信します。

2019年度 講演会開催報告【埼玉会場(令和元年7月11日)・大阪会場(令和元年10月31日)】

【講師】 第一部:伊藤 敦彦先生(埼玉)、上岡 博先生(大阪) / 第二部:福岡 伸一先生

 講演会は、埼玉会場と大阪会場の2会場で開催いたしました。両会場とも申し込み多数により参加者を抽選とさせていただきました。多くの方にご参加をいただきありがとうございました。

 第一部の講演は、健康寿命を延ばすことをテーマに、埼玉会場では、公立学校共済組合関東中央病院の循環器内科部長 伊藤 敦彦先生により「高齢社会を迎える中で、心臓病を考える-健康寿命を延ばすために-」の講演をしていただきました。脳卒中、心臓病その他の循環器病は、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっています。心臓カテーテル治療や埋め込み型除細動器・ペースメーカー等の医療機器の進歩により、心房細動、心不全等の病気に対して、高度な治療ができるようになっています。しかし、このような治療を施しても、慢性的な循環器病の場合は、加齢とともに弱っていくことを防ぐことは難しく、医療にも限界があります。そのため、これらの病気の予防や治療に患者様と医師が一体となって取り組むことで、健康寿命の延伸等や介護等にならずに生きることを常に考えることが大切であると、話していただきました。大阪会場では、公立学校共済組合中国中央病院 病院長 上岡 博先生により、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)-禁煙が必須-」の講演をしていただきました。我が国では、530万人を超えるとされる、肺の生活習慣病と言われるCOPDの患者の死亡率は、年々増加しています。COPDの主な症状は咳、痰、呼吸困難等であり、風邪や喘息と似ているため、適正な治療をせずに放置してしまうと症状が進行し、肺胞が破壊されて酸素を取り込めず、死に至る病気です。この病気の最大の原因は喫煙であることが分かっており、禁煙と受動喫煙を防ぐなどの予防に努め、日常においてウォーキング等の有酸素運動に取り組むことで、健康寿命を延ばすことにつながると話していただきました。


伊藤 敦彦 先生

伊藤 敦彦 先生

上岡 博 先生

上岡 博 先生




 第二部の講演では、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授の福岡 伸一先生による「芸術と科学のあいだ」と題し、哲学する分子生物学者・福岡博士の生命理論から“光の天才画家”フェルメールの魅力について、独特な話術で芸術と科学の面白さを紹介いただきました。少年時代から「昆虫オタク」であった先生は、世界中の美しい蝶を探すために入った生物学から、生物の体を構成する分子に興味を持ち、分子生物学の道を進みました。研究者としての武者修行に選んだ米国ロックフェラー大学のポストドクターフェローの時に、ニューヨークのフリックコレクション美術館で見たフェルメールの絵をきっかけに、本物を超えるフェルメールの複製画でリ・クリエイト展を開き、フェルメールオタクでも有名となり、オランダ・マウリッツハイス美術館がリニューアル・オープンのために制作したプロモーション・ビデオに出演した動画と、楽しい話に引き込まれました。

福岡 伸一 先生

福岡 伸一 先生



 参加者の皆様には、2会場とも医師の話と福岡先生の講演に熱心に聞き入って盛況に終わりました。講演の休憩時には、血管年齢の測定会に多くの人が列を作り、自費出版コーナーでは自費出版の個人相談会も開かれ、楽しい時間を過ごしていただけたようです。
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