未来の先生応援プロジェクトに込められた想い

学校現場から教員が不足して困っているとの声が聞こえてきます

このところ教員が不足して適正な人員配置ができないというニュースがマスコミを賑わしています。実際に知り合いの教員や元教員の話を聞いても、かなり深刻な状態にあることが伝わってきます。校長先生や教頭先生が学級担任を務めたり、何年も前に退職した教員に声をかけて現場に復帰してもらったりしているとの話は、決して珍しいものではありません。

教員が不足することで一番困るのは子供たちですが、
現場の先生たちの疲弊にもつながっています

学級担任は、学校で過ごす子供たちにとって、きわめて大きな存在です。1年間を通して一緒に過ごすこととなる学級担任との関係は、子供たちの生活の大きな部分を占めるものです。子供たちの人生に影響を与えていると言っても過言ではありません。教育は、人と人との関係により成り立つものですが、より良い関係を構築するためには十分な時間と交流を必要とします。何度も学級担任が変わるような状態は、子供たちにとっても教員にとっても決して良い環境ではありませんし、教員の疲弊にもつながっているように思います。疲弊した教員が退職してしまうと、教員不足にますます拍車がかかる悪循環に陥ります。

関係する人たちがそれぞれの立場でできることに取り組むことが大切だと考えます

文部科学省や教育委員会が様々な手段を講じて教員不足の解消に努めていることは、新聞紙面等で頻繁に目にします。学校現場においても、何とか教員を確保しようと、あの手この手で頑張っています。定年を迎えた先生方の中にも、少しでも力になろうと現場にとどまり続ける人たちがいます。現在の状況は様々なことが複雑に絡んで生じているものであり、特効薬となる対策を見つけることは困難です。教員不足の問題は、国の将来にも関わるものであり、この国に暮らす全ての人に影響する大問題です。この問題に対しては、さまざまな角度や立場から皆で努力していく必要があると考えています。

教職員だった多くの先輩方のお力をこれからの学校教育を支えていく
大学生のために貸していただけませんでしょうか

私たち友の会は、公立学校を退職した元教職員の皆様を会員として組織された団体です。これまでは、皆様に引き続きいきいきと過ごしていただくための福利厚生事業に取り組んでまいりました。しかしながら、現在の学校現場の状況に思いを巡らすと、福利厚生事業に加えて、教員不足解消に資する事業に取り組む必要があるのではないかと考えるに至りました。学校の現場をよく知っている私たちだからこそ、これからの学校現場を支えていくであろう「未来の先生」を応援することができるのではないでしょうか。

奨学金の支給は、学生たちの生活の支えであると同時に、たくさんの
先輩方の応援の声を未来の先生に届けるためのものでもあります

今回、友の会が実施する「未来の先生応援プロジェクト」は、給付型奨学金の支給と女子学生会館の運営を2つの柱としています。こうした事業によって、友の会が未来の先生を目指す若者たちを経済的に支援することは、金銭的な価値以上の意義があると思っています。教職が敬遠されるような状況にあってもなお、教職を目指そうとする若者たちに、同じ教師という人生を歩んだ先輩方のエールをしっかり届けることができたら、ささやかでも精神的な支えになるのではないでしょうか。

たくさんの方に一緒に応援してもらいたいと考え、
会費についてはぎりぎりまで抑えました

友の会の会費は月額330円としておりますが、この会費の中には、会員向けの福利厚生事業に要する費用や事務に要する費用が含まれています。このため会費の中から「未来の先生応援プロジェクト」に充てられる金額は、わずかでしかありません。しかしながら、私たちは金銭的な充足よりもたくさんの方々に応援していただくことの方が、ずっと価値があると考え、会費をぎりぎりまで抑えることにしました。

たくさんの方の助けがなければ、非力な友の会では何もできません

友の会は、これまで限られた事業のみを行ってきたため、事務局の組織は一桁の人数で運営されています。このような事務局組織だけでは、とても大きなプロジェクトを動かしていくことはできません。 しかしながら、私たち友の会には、支えてくださる大きな力が存在しています。文部科学省をはじめ、全国の教育委員会、公立学校共済組合(本部、支部、直営病院、やすらぎの宿)の他に教育関係団体や民間の事業者からの支援もありますが、最も大きな力は、会員の皆様のご支援です。「未来の先生応援プロジェクト」を実現させるため、会員の皆様のお力をお貸しください。

友の会会員の皆様には、力を合わせて後輩たちを応援しながら、
毎日を「いきいき」と過ごしてもらいたいと考えています

多くの皆様に会員として、一緒に「未来の先生」の応援をしていただきたいと願っています。そして同時に、会員の皆様の「いきいき」とした日々のためにお役に立ちたいと考えています。友の会では、これまでの事業を大きく拡充するために事業の見直しにも取り組んでいます。たくさんの関係者の支援を受けながら、一つずつ実現に向けて進めています。目指す姿に至るまでには、何年もかかるかもしれませんが、ゆっくりでも着実に進めてまいりますので、皆様の参加をお待ちしています。

友の会は、会員の皆様をつなぐハブとして、
たくさんの会員の皆様の力を結集する役割を果たしていきたいと思っています。
皆様のご期待を裏切ることのないよう努めてまいります。
友の会への加入をご検討いただけますと幸いです。

一般財団法人 公立学校共済組合友の会
理事長瀧田武彦
(元山梨県教育長)

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