七月からの猛暑で雨もほとんどなく、作物が育たない。土はからからで、作物が水分をとろうとしても、それは無理。そこで毎朝、焼酎の入っていた空ペットボトル20本に水を入れ、灌水していた。冬至用のカボチャのつるもその甲斐あって順調に伸びていた。その日も水やりに行くと、あれ、葉っぱがない! 持ってきたボトルを置きよく見ると、茎は立っているが葉がない。丸坊主だ。鹿に食べられた! ととっさに分かった。十株のうち、八株を食べられた。急いで家に戻り、支柱のくいとネットを持ち、カボチャ畑のまわりを囲い、その上に鹿が跳びこえてこないようにと、糸を縦横に張りめぐらせた。
鹿か…。そういえば、今年の五月下旬、草刈り中に鹿の立派な角を片方拾い、とても嬉しい思いをしたことを思い出した。あの時は、初めてのことであり、これは長年やってきた草刈りのごほうびだ、と喜んでいた。しかし、よ〜く考えると…このあと美味しい新芽・葉をいただきますよ、という鹿の予告の角だったのかも、と思えてきた、なんと、カボチャ畑は、角を拾ったすぐ横にあったのだ。
家にある47㎝の角をしみじみ見ながら、また新しい角を生やした牡鹿の勇姿を想像しながら、冬至カボチャが何個とれるかな、と楽しみにしている。