二〇一四年九月二日に一回目のペースメーカーを植込み、二回目も二〇二二年九月二十二日に済ませた。二〇二四年九月二日で、ペースメーカー人になって十年目を迎えた。

植込み初年度は植込み場所の左鎖骨あたりに違和感が残り、慣れるまでに数カ月を要した。また、それまで続けていたランニングも、以前のようにとはならないもどかしさが続いた。心拍数の上限が130と設定されているので、それを超えると走るペースを落とさざるを得なかった。下限は70の設定で、植込み前の自脈が30しかなかった時のような失神はなくなりホッとした。

ペースメーカー人になって三年目の二〇一七年十月二十九日、最後のフルマラソンと決めて第九回大井川マラソンinリバティ(静岡市島田市)に挑戦した。終始ペースメーカーと相談しながらゴールを目指した。7時間という制限時間にも助けられ、6時間42分29秒での完走だった。雨のなかの開催で、この雨が暑さをやわらげる助けになったのも幸いだった。びしょぬれのなかで80歳の完走をペースメーカーに手を当てて喜んだ。

80歳を過ぎてからは、10キロを中心に大会に参加している。だんだん5キロがちょうどよくなってきている。ペースメーカーに助けられながら走り続けていくつもりだ。