令和四年の本誌Vol.162の投稿欄で、中学校の英語教員を退職された女性が「ポストクロッシング」を紹介していた。世界中の会員の中から、事務局がランダムに選んだ方から自宅に絵葉書が送られてくる。自分の絵葉書も同様に世界各国に送られる。もっと早く知りたかったという彼女の言葉に背中を押され、私も翌日には入会の手続きをした。

始めて間もなく、カナダのプリンス・エドワード島から届いた一枚は私を魅了した。几帳面に貼られた美しい切手と、自然豊かな風景写真。文面から「赤毛のアン」の作者モンゴメリの母方と親戚であることがわかった。「赤毛のアン」は小学校の時に一番好きな本だった。こんな出会いもあるのかと思った。戦禍のウクライナからも絵葉書が届く。生死を分ける恐怖の中でも、日常の楽しみを諦めない強い人々がいた。逆に、アメリカの女性に日本語の漢字、平仮名、片仮名を紹介したところ、「カードを読んで、夫が日本旅行のチケットを買った」ということもあった。

相手の年齢や家族構成、季節に合わせて絵葉書や切手を選んだり、和紙などでデコレーションしたりするのも楽しい。英語のスキル不足はネット検索で補い、これまで四百通余りの絵葉書をやりとりすることができた。一昨年、自分が子どもの頃に収集した記念切手が多数見つかった事も追い風となった。

友の会のネットワークに感謝しつつ、郵便配達のバイクの音に心弾ませる毎日である。