嵯峨野は風光明媚な都の郊外として平安貴族に愛され、多くの別荘が営まれた地です。長く平和な治世を送ったことで知られる嵯峨天皇もこの地に「嵯峨院」という離宮を営み、そのために漢風諡号(死後に送られる天皇名)も〈嵯峨〉天皇となりました。その嵯峨院の一角に創建されたのが大覚寺です。天皇または皇族が門跡(住職)となるたいへん格式の高い寺院として歴史を歩んできました。
平安時代の長編小説『源氏物語』には主人公・光源氏の別荘が「大覚寺の南にあたりて」と記され、物語の舞台としてこの一帯が登場します。一日目の座学では、平安文学に描かれる嵯峨野のようすから、往時の大覚寺とその周辺の歴史を読み解きます。
散策では大覚寺の由緒あるお堂と、境内の広大な苑池・大沢池を僧侶の案内で巡ります。「嵯峨御所」と称された大覚寺には御所のおもかげを伝える「宸殿」があり、白砂の前庭には右近の橘・左近の梅が配されます。その背後にある正寝殿は華麗な障壁画に囲まれた桃山建築で、通常非公開ですが今回特別に拝観します。そして離宮造営とともに整えられたという大沢池。百人一首「滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」が詠まれた「名古曽の滝」跡が伝わる名所をのんびり散策します。







